東大先端研 ESRP は Quad Investors Network の後援のもと、National Security College, Australian National University (オーストラリア)、Observer Research Foundation(インド)、Daniel K. Inouye Asia-Pacific Center for Security Studies(アメリカ)と共に、シンポジウム「 クアッドにおける重要新興技術協力:現状と未来の展望」を開催しました(2024/08/21)。
斎藤健 経済産業大臣からシンポジウムの開催にあたって、ビデオメッセージをいただきました。
エマニュエル 駐日米国大使からもシンポジウム開催にあたって、ビデオメッセージをいただきました。
近東南アジア戦略問題研究センター助教授である Jeffrey Payne 氏をモデレーターとして、クアッドの 4 ケ国(日米豪印)の専門家が、クアッドの現状や今後の展望を議論しました。
オーストラリアの専門家である Jennifer Jacket 氏は不透明な地政学的状況やサプライチェーンの脆弱性などの課題に対するクアッドの役割を解説しました。 また、クアッドの関係強化のために、地域的枠組みを尊重することや民間セクター、市民社会との協力が不可欠であるという見解を示しました。
東大先端研特任助教の川井大介氏は日本の視点からクアッドの成り立ちや変遷を解説しました。また、日本がロボット技術や次世代エネルギーなどの分野でクアッドに貢献できるという見解を示すとともに、産業界や学術界のさらなる人的交流が重要だと指摘しました。
インドの専門家である Anirban Sarma 氏はインド太平洋地域が世界のインターネットユーザーの半分を占めていることや、中国が提供する技術やサービスの代替が必要とされている中で、クアッドには 5G や量子コンピューターにおける技術協力が期待できることを解説しました。また、その協力には政界、産業界、学術界の相互協力が不可欠だと指摘しました。
アメリカの専門家である Virginia Bacay Watson 氏は中国の台頭や安全保障の複雑化が課題とされる中でクアッドに求められる役割を解説しました。また、SCO や AIIB に対抗して、イノベーションに対する投資を強化する必要があるという見解を示しました。
その後に行われた、ディスカッションや会場からの Q&A セッションでは、「クアッドと中国・ロシアの関係」や「クアッド内の協力の手法や柔軟性」など、クアッドについて考えるには不可欠な問題について、専門家がそれぞれの知見から議論を交わしました。
各国の専門家が一堂に会し、情報交換や議論を行った本シンポジウムはをクアッド各国の関係強化が求められている中で大きな意義のあるものになりました。